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日本の公的医療保険制度、知っていますか? 必要な医療保険を選択するために
日本の公的医療保険制度を知っておこう

相談者「私は大きな病気もしないで過ごしてきましたが、最近たまたま、他の国と日本の公的医療保険制度についての番組を見て、いろいろと気になり始めました。」 回答者「今まで病気せずに健康だったのは良かったですね。でも、長い一生ですから、“万一”を考えるのは大切ですね。」

自分の入っている健康保険は何?

最近のテレビ番組などを見ていて、「日本の公的医療保険制度は充実している」と聞いた方も多いのではないでしょうか。実際そのとおりで、日本は「国民皆保険(こくみんかいほけん)」と言われていて、国民誰もが公的な医療保険に入ります。働き方や年齢などで、加入する制度が異なります。それでは、どんな制度があるのか具体的に見ていきましょう。
主なものだけでも5つあります。図表にまとめたものをご覧ください。市区町村が運営するのが、主に自営業の人の「国民健康保険」です。2つめが、「全国健康保険協会(協会けんぽ)」で、中小企業に勤める人のためのもの。3つめが、大企業に勤める人のための「組合健保」、4つめが公務員のための「共済組合」になります。そして、最後の5つめとして、75歳以上の高齢者は、「後期高齢者医療制度」に加入することになります。

我が家はどの健康保険?
国民健康保険 全国健康保険協会(協会けんぽ) 組合健保 共済組合 後期高齢者医療制度
主な加入者 自営業者、非正規労働者、無職、74歳までの高齢者など 中小企業に勤務する人と家族 大企業に勤務する人と家族 公務員や私立学校の教職員と家族 75歳以上の高齢者
医療費の自己負担割合 義務教育就学前の乳幼児は2割、小学生~70歳未満は3割、
70歳以上は2割(※所得が一定以上の場合3割)
1割
(※所得が一定以上の場合2~3割)
傷病手当金 なし あり なし

相談者「“健康保険”と一口にいっても、加入している健康保険によって、それぞれなんですね。」 回答者「まずは、自分の健康保険はどれかを知ることが大切ですよ。次に、どの健康保険に加入しているとしても共通の仕組みがあるので、それを学びましょう。病気やケガでかかった医療費のうち、どれぐらい自己負担があるかは知っていますか?」

医療保険制度とは?

まずは医療保険制度について見ていきましょう。医療保険制度とは、病気やケガに備えてみんなでお金(保険料)を出し合って、誰かが医療を受けたときに、そのお金を医療費の支払いにあてる、「助け合い」の仕組みです。仕組み自体は1927年にスタートしていますが、敗戦や戦後の混乱ののち、1961年に全面的に国民皆保険としての医療保険制度が確立しました。

患者は、かかった医療費の1~3割の支払いで済み、残りは自分が加入している健康保険から支払われます。ありがたい制度ですね。

医療費の一部負担(自己負担)割合

6歳(義務教育就学後)未満2割負担 6歳以上70歳未満3割負担 一般所得者等 70歳以上75歳未満2割負担 75歳以上 一般所得者等 1割負担 一定以上所得者 2割負担 現役並み所得者 3割負担

出典:
厚生労働省「我が国の医療保険について」

医療保険制度の特徴

医療保険制度の主な特徴について具体的に見ていきましょう。1つめは「国民皆保険」であること。国民であれば必ず医療保険に加入できますし、しなければいけません。ということは、必ず保険に守られていて安心ということです。2つめは「フリーアクセス」であること。これは、どの医療機関でもどの医師にも、自由に診察や治療を受けられるという特徴です。海外には登録した医療機関を最初に受診しなければならない国もありますが、日本ではそんなことはありません。そして、3つめは保険金などのお金での給付ではなく、診察や注射・手術・投薬などの医療サービスを「現物給付」されること。かかった医療費を払戻す仕組みではなく、医療サービスそのものを受けられるというのが特徴なんです。

高額療養費制度とは

現役世代の皆さんは、医療費の自己負担が「3割負担」というのはご存じですよね。それでは、子どもの場合はどうでしょうか。乳幼児の自己負担は2割、小学校以降は大人と同じ3割が原則なのですが、多くの自治体で子どもの医療費を助成しています。子どもが何歳までの助成なのか、親の所得制限があるのかなどは自治体によって異なりますので、引っ越しの際には確認すると良いでしょう。
その他、誰にとっても共通の公的な制度として、高額療養費制度というものがあります。これは、医療費がたくさんかかっても、1か月あたりの自己負担限度額が決まっているという制度です。病院で支払った医療費が、1か月(月の初めから終わりまで)で一定額を超えた場合に、その超えた金額が支給される制度のことです。下の図表をご覧ください。年収が約370万~約770万円の方の場合ですが、月100万円の医療費だった場合、自己負担は月8万7,430円ということになります。健康保険適用の治療の場合は、過度に自己負担の心配をする必要がないといえるでしょう。

例)70歳未満、年収約370万〜約770万円の方
暦月(月の初めから終わりまで)の医療費が100万円、自己負担3割の場合

70歳未満、年収約370万〜約770万円の方、暦月(月の初めから終わりまで)の医療費が100万円、自己負担3割の場合

相談者「誰もが使える高額療養費制度というのがあるのは、ほっとしますね。」 回答者「本当ですね。さらに医療保険を考えるときに、会社員の方には、上乗せといってもよい「傷病手当金」というものがあります。それでは、会社員の場合と自営業の場合の違いを見ていきましょう。」

会社員の場合と、自営業の場合の違い

傷病手当金は、病気やケガの療養のため会社を3日間連続して休んだあと、4日目以降の休んだ日に対して最長1年半にわたって支給されます。支給される金額は、簡単に言うと、1日あたりのお給料の平均金額(=標準報酬月額÷30日)の3分の2です。会社員の皆さんにとっては「ありがたい制度」と言えますので、この傷病手当金は覚えておきましょう(※給付にはその他要件があります)。
このように、病気になったときはまず公的な制度が利用できます。さらに、大企業の組合健保などでは、高額療養費制度よりもさらに自己負担が少なくなるところもあります。
一方、自営業の方は、高額療養費制度は利用できますが、傷病手当金はもらえないことに注意してください。長い人生において、さまざまな就労のしかたがあり得ると思います。会社をやめて業務委託といった自営業の働き方を選択したり、早期リタイアをして起業したりすることもあり得るでしょう。そのため、その時々に自分がどんな医療保険に入っているのかを確認し、そして、「誰のために、どんな民間の保険」が必要かを考えておきましょう。

相談者「会社員ってめぐまれているんですね。自営業だと高額療養費と3割負担というサービスしかないのでしょうか?」 回答者「いえいえ、実は医療保険制度には、自営業も会社員も受けられる制度が、他にもいろいろあるんです。どんなものがあるか見ていきましょう。」

知っておきたい!医療保険の主な給付制度

医療保険制度には、1~3割の支払いで医療サービスを受けられること以外にも、いろいろなお金をもらえる制度があります。自分で申告しないと給付を受けられないものが多いため、知らずに損することもあるかもしれません。どんなものがあるのかぜひ知っておきましょう。

医療保険制度の給付の主な種類(被保険者の場合)
名称 どんな時にもらえる? いくらもらえる? 国保加入者は対象?
療養費 自費(立て替え払)で診療を受けた場合 自己負担(1~3割)を超える金額
入院時食事療養費 入院した時 病院の食事代のうち1食460円*を超える金額
*低所得者については軽減
入院時生活療養費 65歳以上で療養病床に入院したとき 居住費として1日370円*を超える金額および食費として1食460円*を超える金額
*低所得者については軽減
保険外併用療養費 保険診療との併用が認められる療養を受けた場合 保険診療と同様に扱われる部分のうち自己負担分を超える金額
移送費 移動が困難な人が医師の指示で移送された時 移送にかかった実費
訪問看護療養費 在宅療養の難病患者などが、訪問看護ステーションから訪問看護を受けた時 自己負担(1~3割)を超える金額
高額療養費 医療費の自己負担額が高額となった時 自己負担限度額を超える金額
高額介護合算療養費 同一世帯での医療保険と介護保険の合計自己負担額が高額となった時 基準額を超える金額
傷病手当金 病気やケガで連続3日以上会社を休んだ時 4日目以降1日につき、直近12か月の標準報酬月額平均額の1/30の2/3(最大1年半) ×
出産育児一時金 出産した時 1児につき50万円
出産手当金 出産で仕事を休んだ時 1日につき、直近12か月の標準報酬月額平均額の1/30の2/3(出産の日(実際の出産が予定日後のときは出産の予定日)以前42日目(多胎妊娠の場合は98日目)から、出産の日の翌日以後56日目までの範囲内) ×
埋葬料(費)
葬祭費
死亡した時 加入する医療保険・自治体による

シーンごとに給付の種類を見てみましょう。

病気・ケガをしたとき

診察や治療を受けた際、病院の窓口で支払うお金は1~3割の金額で済むのが普通ですよね。ですが、保険証を持っていないときなどは全額を立て替えなければいけません。そんなときに払戻されるお金を「療養費」といいます。
また入院した場合は、食事代や光熱費について、一定金額を超えた分の「入院時食事療養費」「入院時生活療養費」の給付を受けられます。
特に手続きは不要で、窓口では、医療費からこれらの金額を差し引いた、自己負担の金額のみが請求されるので安心してください。また、住民税非課税世帯の場合などは、自己負担額を減らしてもらう申請ができますよ。

つぎに、「保険外併用療養費」を説明しましょう。通常、医療保険制度では、保険が適用されない診療(保険外診療)があると、保険が適用される診療(保険診療)も含めた医療費の全額が自己負担となってしまいます。かなり高額になってしまいそうですよね。そこで一部の保険外診療については、保険診療との併用が認められ、医療費の全額が自己負担とはならないルールがあるんです。対象となる保険外診療とは、先進医療や差額ベッド代など、厚生労働大臣の定める「評価療養」と「選定療養」というもの。通常の治療と共通する部分(診察・検査・投薬・入院料等)の費用について、一定額を超えた部分は「保険外併用療養費」の給付を受けられます。

また、移動が難しい患者が、医師の指示で必要に応じて移送された場合は、「移送費」が実費でもらえます。

訪問看護療養費」とは、在宅療養の難病患者などが訪問看護ステーションから訪問看護を受けた時に受けられる給付です。

医療費が高額となった場合

1か月の医療費が高額となった場合に受けられるのが「高額療養費」です。この給付により、70歳未満で所得が年収約370万~約770万円である場合、どんなに医療費がかかっても、自己負担限度額は約8万~9万円となるのは助かりますよね。それに3か月以上高額療養費を受けた場合は、さらに自己負担限度額が下がる仕組みとなっているんです。
なお同一世帯で、医療保険と介護保険の両方で自己負担がかかり過ぎた場合には、「高額介護合算療養費」として払戻しを受けられることも覚えておきましょう。

病気やケガで仕事を休んだ時

病気やケガが原因で仕事を連続3日間休んだ場合にもらえるお金が、先ほどお伝えした「傷病手当金」です。4日目以降のお休みについて、1日につき、1日分のお給料の約3分の2を、最長1年6か月間受けられます。ただし、休んだ期間についてお給料の支払いがあった場合は、傷病手当金の金額は調整されます。病気が長引いても、1年6か月収入があるのは助かりますね。
なお、国民健康保険にはない給付であるため、自営業などにはありません。

出産した時

医療保険の被保険者や被扶養者が出産した時には、子ども1人につき50万円(※)の「出産育児一時金」を受取れます。なお、窓口での支払い時に大金を準備しなくて済む「直接支払制度」や「受取代理制度」があります。出産前に手続きが必要な場合もあるので、出産する医療機関に事前に問合わせると安心ですね。

  • (※)産科医療補償制度対象出産ではない場合は48.8万円

被保険者本人の出産が理由で仕事を休んだ場合は、「出産手当金」の給付を受けられます。いわゆる「産休手当」と呼ばれるものです。同時に傷病手当金も受ける場合、傷病手当金については、出産手当金の額を超えた分と調整されるのでご注意を。なお、国民健康保険には「出産手当金」はありませんので、自営業の場合は仕事を休んだら収入がなくなってしまいます。

死亡した時

会社員の被保険者が死亡した時に、埋葬を行った人が受取れるのが「埋葬料」や「埋葬費」です。「埋葬料」は5万円で、被扶養者が死亡した場合には「家族埋葬料」の給付も受けられます。なお、「埋葬費」は、死亡した人の家族以外で埋葬を行った人に、埋葬にかかった費用(最大5万円)として支給されるものです。
国民健康保険加入者が死亡した場合は、自治体により金額が異なりますがたとえば7万円などの「葬祭費」の給付を受けられます。

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