〜「@akirapaisen40さん」から投稿されたフアン〜
日本を訪れる海外からの観光客は年々増加しており、街中でいろいろと話しかけられたりする機会も増えているのではないでしょうか。2020年開催の東京オリンピックでは、『おもてなし』のひとつのカタチを英語力で示す機会でもありますね。
そこで「外国人に道を尋ねられそうになったとき、あなたならどうするのか?」について、オリックス生命全社員に聞いてみました。
①ジェスチャーを交えながら、何とか道を教える67.3%
②しっかりコミュニケーションをとって、道を教える15.9%
③話し掛けられないようにする8.5%
④ジェスチャーで英語が話せないアピールをする3.6%
⑤その他4.7%
結果は、8割以上の方が「道を教える」との回答でした。皆さんならどうしますか?
日本の英語教育も試験英語から実用英語へと移行していて、コミュニケーションツールとしてもはや欠かせないもののひとつになっています。
今日では、AI(人工知能)を駆使した音声翻訳ツールも開発され、VR(バーチャルリアリティ)の技術を使った英語学習アプリも発表されるなど、もはや語学学習は必要なくなるのではないかという勢いです。
しかし、そうはいってもコミュニケーションの基本はやはり人と人。グローバル社会では英語力を身につけることはまだまだ必要なことのようです。
苦手意識を持たず、恥ずかしがらないで積極的にコミュニケーションを取ることが上達の近道なのかもしれませんね。
身振り手振りで相手に感情を伝える「ジェスチャー」は、人間が言語を持たない時代から培ってきた本能的なコミュニケーション手段です。その代表として今でも多くの方に愛されているのが「HULA(フラダンス)」。
まだ言葉が発達していないころから、華やかな踊りとジェスチャーで“相手への思い”を伝え、その伝統は現代にも承継されています。映画フラガールで手話を交えて踊ったシーンは有名ですね。
21歳の時に初めてハワイを訪れたときのこと、浜辺では、植物だけでできた衣装を身に纏い、南国らしいカラフルな生花を使ったレイや髪飾りで装飾したダンサーがHULAをしていました。笑顔が可愛い彼女が動くと、お花の良い香りが会場を包みました。自然の恵みだけで飾られた姿がとても美しくて、もともと植物に興味があった私は、あっという間にHULAに魅了されてしまいました。帰国後、HULAとレイメイキング*の教室に通い始め11年になります。
*生花を使い、ハワイに伝わる手法を学びながらレイを作ること。
笑顔になれること。
振付をマスターして踊るだけではなく、感情を全身で表現してようやくHULAとなるのです。そのためには“顔の表情”がとても大切です。ムスッとした顔をして優しい声を出すのは難しいですよね?それと同じで、歌詞に出てくる「嬉しい!楽しい!!幸せ!!!」という気持ちを表現するには、笑顔が大切なのです。笑顔で踊ることで前向きな気持ちにもなれますよ。
表現力は体から滲み出てくるものだと思っています。
ハワイの風の香りを感じられるくらい、頭の中で想像を膨らませて心から楽しみながら踊るようにしています。
ただ、HULAはハワイアンの文化や伝統、生活を伝承しているものなので日本人の私には全く同じ経験がなくどう表現したらいいか分からないことも多々あります。そんなときは、自分の日常生活の中で似たような体験を重ね合わせて感情を引き出しています。なので、どんなに些細なことでも、感動したり喜んだりと豊かな感性を養えるように日々頑張ってます(笑)。
illustration: Yoshiyuki Momose
百瀬義行 アニメーション監督・演出家
1953年生まれ。1971年、スタジオ・ネオメディアに入社し『天才バカボン』『ルパン三世』『ど根性ガエル』など数々の名作の原画を担当。日本アニメーションを経てフリーになると1988年、『火垂るの墓』で初めてスタジオジブリ作品に参加。『おもひでぽろぽろ』など高畑勲監督作品になくてはならない存在に。1997年の宮崎駿監督作品『もののけ姫』では、スタジオジブリにCG室を立ち上げるなどデジタル技術にも積極的に取り組む。2002年には、さまざまなアニメーション技法を取り入れた実験的な短編集『ギブリーズ episode2』で初監督。2000年代に入ると、PVやゲーム、TVCM、絵本など、活躍の場を広げている。