オリックス生命

子どもから学ぶ「モンテッソーリ教育」

「モンテッソーリ教育で、子育ての予習」

第1回

モンテッソーリ教育ってなぁに?
なぜ世界で注目されているの?

原因不明の大泣き!何をやってもイヤイヤ!ダメだって言っているのにいたずらばかり!ティッシュを箱からズルズル引き出す、ソファーの上でビョンビョン跳ねまくる・・・
はじめての子育ては謎と、ハプニングの連続!叱り疲れて途方に暮れているパパやママも多いのではないでしょうか。

しかし、この謎の行動すべてに「深い意味」があるとしたら?
それこそが、わが子の本当の力が伸びている瞬間だとしたら?
この時期の、親の対応が、わが子の一生を左右するとしたら?

どうでしょうか?

人間の子どもの成長というものは、数百年前からほとんど変わっていません。今この瞬間にも、世界中の同年齢の子どもたちが、同じような行動を取っているのです。不思議ですよね。
ということは、「あなたのお子さまは、何歳何か月になるとこのような成長して、このような行動をしますよ!そして、それにはこのような意味があるのですよ!」ということが、事前に判っているのです。

試験に例えれば「ここ、テストに出ますよ~」と先生が教えてくれているようなものなのです。だとしたら「予習」をしない手はないと思いませんか?
そして、この「子育ての予習にピッタリなのが、モンテッソーリ教育」なのです。

子育ての予習をする目的とは?

ここで極めてご注意いただきたいことは、「予習」などというと、先回りをして幼いうちから知識を詰め込む、「詰め込み・先取り・早期教育」のイメージを持ってしまうことです。しかし、それらとはまったく逆の意味での「予習」なのです。

親が子育ての予習をすると、わが子の成長を「見守る目」が育ちます。楽しみながらじっくりと、次の成長を心待ちにする「心の余裕」が生まれるのです。そして、わが子に適したタイミングで、その子に合った働きかけができるようになります。「早期教育」ならぬ「適時教育」と言えるのです。
そして、このコラムのタイトルでもある「親はゆったり、子どもはのびのび」を実践することができるようになります。

今なぜ、モンテッソーリ教育が世界的に注目を浴びているのか?

ところで、このモンテッソーリ教育を受けて育った人には、どのような人々がいるのでしょう? Googleの創始者ラリー・ペイジ、サーゲイ・ブリン
Microsoftの創始者ビル・ゲイツ
Amazonの創始者ジェフ・ベゾス
Facebookの創始者マーク・ザッカーバーグ
Wikipediaの創始者ジミー・ウェルズ
イノベーションの父、ピーター・ドラッカー その他多数

そして、日本では将棋の藤井聡太棋士がモンテッソーリ教育で育ったことで有名になりました。

「だからモンテッソーリ教育だけが素晴らしい!」という意味ではありません。大切なことは、彼らの幼少時代のどのような体験が、現在の輝かしい功績につながったのか?という点なのです。

「頭がいい」の基準が変わる?

これまでの時代は、学校や塾で教わったことを、本番の試験会場でどれだけ早く、正確に再現できるかを、マークシートで計測し、偏差値などに数値化して頭の良さを競っていました。これを、数値化できる「認知能力」と言います。
しかし、これからは、こうした正解を早く正確に出す認知能力は、それほど重要ではなくなって行きます。なぜならばAI(人工知能)が代わりにやってくれるようになるからです。昔の「物知り博士」は「あいつは頭がいいなぁ」などともてはやされていましたが、今では「OK!Google!」と叫べば、瞬時に正解が返ってくるのです。
ですから「早期・先取り・詰め込み」の知識だけの教育では、これからの時代に通用しなくなってしまうということに、世界が気付き始めたのです。

それでは、これからの世の中では、どのような能力が必要になるのでしょうか?
それは、数値化できない、人間だけができる「非認知能力」(心の力)などと呼ばれています。正解はAIが出してくれる世の中では、人間にこそできるのは、正解の周辺にある「代案」「別解」=「なるほど、そういった手もあるね!」「じゃあこうしてみたらどうだろう?」のような発案なのです。これが先ほどの著名人たちが生み出した発想の飛躍・改革(イノベーション)なのです。その、イノベーションの源が、彼らが幼少時代に受けたモンテッソーリ教育での実体験にあるのではないのか?ということで、世界中が注目をしはじめたわけです。欧米だけでなく、中国、台湾、韓国、インドなどのアジアでも爆発的に広まっているのには、こうした背景があったのです。

将来に向けて、わが子に身につけさせたい能力は?

皆さまのお子さまがこれから生きていく時代は、今よりさらに10年以上先になります。65%の人が現在には存在しない新しい職業に就くだろうともいわれていますので、どのような時代になるのか予測できる人は誰もいません。それでは、わが子にはどのような能力を身につけさせて世に送り出せば良いのでしょうか?
どんな時代の変化にも適応するには、自分でやりたい事を選択して、見通しをつけ、集中して最後までやり抜き、周りの人たちを巻き込んでいく「活きる力」を身につけていく必要があるのです。

このような人間だけが持つ、数字で測れない「非認知能力」は、0~6歳の乳幼児期に、われを忘れて遊び、活動にこだわり、集中し、周りの子どもと触れ合う瞬間に芽生えるのです。
そして、その成長の瞬間を見逃さないためのヒントが、冒頭に挙げた「大泣き・イヤイヤ・いたずら」にあるのです。

マリアモンテッソーリはこう言っています。
「確かに世の中は、変わって行きます。しかし、変わらないこともあるのです。それは、人間はいつの世も人間だということです。人類は飛躍的進化を遂げるでしょうが、それでも一人一人の人間を見てみると、産まれたての赤ちゃんは、いつの時代にも同じ赤ちゃんであり、20歳になるには、新生児は20年間生きなくてはならない。」

時代が大きく変化するからこそ、この変わらない部分に焦点を当てて、「活きる力」をしっかり育てて行く必要があるのです。

子育ての予習をする、本当の意味が見えてきたでしょうか?

それでは、次回より子育ての予習をしてまいりましょう!

藤崎達宏 プロフィール

日本モンテッソーリ教育研究所認定教師(0~3歳)
国際モンテッソーリ教育協会認定教師 (3~6歳)

外資系金融機関に20年勤務したのちに独立。自らの4人の子育て経験とモンテッソーリ教育を融合した子育て講演会を全国で展開している。 幼稚園、保育園から全国の医師会まで、週末のほとんどが、講演と個別の子育て相談でうまる人気講師。

著書「モンテッソーリ教育で子どもの本当の力を引き出す」は、モンテッソーリ教育の入門書としてベストセラーとなり、台湾での翻訳出版が決定している。

最新作「0~3歳限定の実践版!モンテッソーリ教育で才能をぐんぐん伸ばす」も、豊富な写真とイラストを取り入れた、子育てガイドブックとしてAmazon幼児教育ランキングで1位を記録している。

You Tubeチャンネル「モンテッソーリ教育TV」公開中!
すきま時間でモンテッソーリ教育の本質を効率的に学ぶことができます。コラムの予習・復習にもご活用ください。