オリックス生命

子どもから学ぶ「モンテッソーリ教育」

「モンテッソーリ教育で、子育ての予習」

第4回

「運動の敏感期」
0歳〜3歳で、一番大切な事は?!

第3回では「敏感期」を紹介しました。ちょっと復習しておきましょう。
敏感期というのは、子どもが何かに強く興味を持ち、集中して同じことを繰り返す、ある限定された時期でしたね?

今回は、その中でも一番大切な「運動の敏感期」について紹介します。

赤ちゃんは、生まれてからわずか一年くらいの期間に素晴らしい成長を遂げます。

  • ①寝返りをうつ
  • ②ずりばいをする
  • ③おすわりをする
  • ④ハイハイをする
  • ⑤つかまり立ちをする
  • ⑥一人立ちをする
  • ⑦歩く

親が教えなくても、しっかりと段階を踏んで成長していきます。
赤ちゃんは、生きていくために、今は何に集中しなくてはならないのか、知っているのです。
まるで「神さまからの宿題」をしているようですね

生きていくための活動を自分で選択・実行し「ひとりでできた!」という達成感を感じることで、脳の中枢神経に「ドーパミン」という快楽ホルモンが流れます。 このドーパミンの影響は、学習、やる気、記憶、行動と認識、注意など広範囲におよびます。そのため、また繰り返し行うようになり、どんどん上手になっていくのです。
これが、0〜6歳の間に色濃く現れる「運動の敏感期」という特別な期間です。

0〜3歳までの最重要
キーワードは「歩く」

立ち上がることによって、両手が自由に使えるようになりました。さらに、のどの咽頭にスペースができ、言葉を自由に操ることができるようになりました。ということは、立って歩くことが全ての進化の始まりだったということなのです。ですから、0〜3歳の期間は、この「歩く」を最も大切にする必要があるのです。

頭が良くなるには、
歩かせろ?

親であれば誰もが「頭がよくなってほしい」と思うはず。
実は、子どもは歩くことによって体幹がしっかりし、手指が動かせるようになることで、脳が発達するのです。ですから、早期教育であれこれ詰め込みを考える以前に、たくさん歩かせることが大切なのです。

ただし、早く立ち歩きができればよいというわけではありません。
しっかり立ち上がるには、その前の段階のハイハイをしっかりする必要があるのです。特に、ハイハイは運動をコントロールする中脳を刺激する、大切な活動でもあります。

「新しい段階へと順調に入っていけるかどうかは、その前の段階をいかに充実して終了してきたかにかかっています」
これは、モンテッソーリが提唱した「スモールステップス」という理論です。要は「わが子の今を大切にする」ということなのです。

親にできることは?

ハイハイしている子どもを無理やり立たせるわけにはいきません。では、親はどうすればよいのでしょうか?
例えば、「ハイハイの次はつかまり立ちをする」のですから、次のような手伝いをしてあげてください。

①つかまり立ちがしやすい、フラフラしない安定したイスやテーブルなどを、そばに置いておきます

②そして、赤ちゃんが思わず手に取りたくなるようなおもちゃなどをその上に置きます

モンテッソーリ教育では、こうした子どものための準備を「環境を整える」と言います。子どもが、「ひとりでできるようにお手伝いをする」ということですね!

親がしてはいけないことは?

大人は、どの移動手段が早いか?疲れないか?安全か?安いか?などを比較して選択しています。しかし、子どもは、自分で歩くことを何回も練習し、上手くなることに喜びを感じているのです。
「歩くために、歩いている」とても大切な時間なのです。大人と子どもでは、意味と、重みが全くちがうのです。
しかし、私たち親は、よかれと思って抱き上げたり、よかれと思ってベビーカーに縛り付けようとしてしまうのです。


人間が全力を出し惜しみしないのは、一生に一度。この運動の敏感期だけです。 運動の敏感期も期間なので、始まりがあって終わりがあります。 小学校に上がるころには、私たちと同じように、効率的な考えが支配するようになります。「さぁ、もう一年生だから自分で歩きなさい!」と、急に言っても「疲れるから、歩きたくな~い」という返事が返ってきてしまいます。

「健康のためには足に貯金をする」などという言葉があるように、0〜6歳の運動の敏感期に、喜びを覚えながら、たくさん歩くことが全ての土台になっているということを覚えておきましょう。

今回のポイント

①「運動敏感期」の赤ちゃんは、親が教えなくても、段階を踏んで成長していく
→「神さまからの宿題」

②新しい段階へと順調に入っていけるかどうかは、その前の段階をいかに充実して終了してきたかにかかっている
→「スモールステップス」理論

③「環境を整える」とは、子どもが「ひとりでできるようにお手伝いする」こと

藤崎達宏 プロフィール

日本モンテッソーリ教育研究所認定教師(0~3歳)
国際モンテッソーリ教育協会認定教師 (3~6歳)

外資系金融機関に20年勤務したのちに独立。自らの4人の子育て経験とモンテッソーリ教育を融合した子育て講演会を全国で展開している。 幼稚園、保育園から全国の医師会まで、週末のほとんどが、講演と個別の子育て相談でうまる人気講師。

著書「モンテッソーリ教育で子どもの本当の力を引き出す」は、モンテッソーリ教育の入門書としてベストセラーとなり、台湾での翻訳出版が決定している。

最新作「0~3歳限定の実践版!モンテッソーリ教育で才能をぐんぐん伸ばす」も、豊富な写真とイラストを取り入れた、子育てガイドブックとしてAmazon幼児教育ランキングで1位を記録している。

You Tubeチャンネル「モンテッソーリ教育TV」公開中!
すきま時間でモンテッソーリ教育の本質を効率的に学ぶことができます。コラムの予習・復習にもご活用ください。