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運動習慣がない人でも今日から始めたいカンタン筋トレ

年齢を重ねても健康でいきいきと過ごすには、“筋肉”が欠かせません。筋肉は体を動かすだけでなく、さまざまな面から私たちの健康を支えています。そこで今回は、諏訪中央病院リウマチ膠原病内科医長の須田万勢先生に、年齢に負けず、無理なく始められる筋トレ方法を教えていただきました。

なぜ筋肉が大事なの?筋肉があると「いいこと」とは?

筋肉は、血流や体温の調整、姿勢の維持、免疫力のサポートなど、体を内側から支える重要な存在です。加齢とともに筋肉量は減り、脚から衰えていきます。特に女性は筋肉がつきにくいため、意識して鍛えることが大切です。ここでは、筋肉がもたらす「7つのいいこと」をご紹介します。

1.血液を循環させる

筋肉は、血液を全身に巡らせ、心臓へ戻す“ポンプ”の役割を担っています。特に脚の筋肉が弱ると、その働きが低下し、心臓への負担が増します。

2.熱を発生させる

筋肉は熱を産生する器官。筋肉量が多ければ基礎代謝が上がり、体温も安定。冷えを防ぎ、体調管理にもつながります。

3.姿勢を維持する

骨格筋は、正しい姿勢を保つために欠かせません。筋肉があることで、猫背や腰痛、転倒のリスクも下げ、美しい姿勢が保てます。

4.運動能力を高める

立つ・歩く・座るといった動作はもちろん、呼吸や発声も筋肉によって支えられています。筋肉は、まさに体の“エンジン”です。

5.骨や関節を守る

筋肉は関節の動きを助け、衝撃を吸収するクッションの役割も。関節への負担を減らし、痛みやケガの予防にもつながります。

6.免疫力を高める

筋肉量が増えると代謝が活発になり、体温が上がりやすくなります。それにより免疫細胞の働きも活性化。病気に強い体づくりをサポートしてくれます。

7.内臓を守る

筋肉は、呼吸器・消化器などの内臓を外から守る“壁”のような存在。血管や神経の保護にも関わっています。

年齢を重ねてもキレイでいるには、おしりの筋肉を鍛えるのが正解!

健康的で美しい体をキープしたいなら、まず注目したいのはおしりの筋肉。何もしなければ、誰でも40代から垂れやすくなります。そこで大切なのが、おしりの大きな筋肉・大臀筋(だいでんきん)を鍛えること。ここをしっかり使えるようになると、歩き方が安定し、転倒予防にもつながります。50代を過ぎると、「転んで骨折した」という声も増えてきます。手軽に鍛えるにはスクワットがおすすめです。

スクワットのやり方

  1. 椅子を用意し、一歩分ほど前に立ちます。不安な人は、椅子にやや近くてもOKです。
  2. 足を肩幅に広げ、股関節に両手をあて、体を折り曲げるようにして、ゆっくりと椅子に向かってしゃがみます。股関節の位置がわからない場合は、その場で足踏みし、足が曲がり始めるあたりを意識しましょう。
  3. おしりが座面に軽く触れたら、ゆっくりと立ち上がります。この動作を自分のペースで10回繰り返します。

肩甲骨の下を鍛えると、美しいデコルテラインが手に入る!

おしりの筋肉を鍛えたら、次はデコルテに注目。首元から肩にかけてのラインは、年齢が出やすいパーツです。若々しい印象を保つカギは、肩甲骨の下にある前鋸筋(ぜんきょきん)。ここを鍛えると、姿勢が整い、胸が自然と開いて、スッとしたきれいなデコルテラインに。ムキムキになる心配もなく、巻き肩や猫背の予防にもつながります。前鋸筋は、ひざつき腕立て伏せで鍛えましょう。

ひざつき腕立て伏せのやり方

  1. 肩幅より少し広い位置で床に両手をつき、ひざを床につけた状態で構えます。自信がない人は、太ももまで床につけてOK!
  2. ひじをゆっくり曲げ、脇のあたりに負荷を感じるところまで体を下ろします。
  3. そのまま2秒ほどキープし、ひじをゆっくり伸ばして元の姿勢へ。これを1セット10回、1日に2~3セットを目標に、無理のない回数から始めましょう。

階段を使うだけで筋トレに!つま先を意識するだけで効果アップ

「運動する時間がなかなかとれない」という人も、あきらめなくて大丈夫。意識を変えれば、日常生活がそのまま筋トレになります。たとえば、駅までの道を歩いたり、階段を使うだけでもOK。特に階段をのぼるときはつま先を意識するだけで、ふくらはぎやおしり、太もも裏のハムストリングを鍛えることができます。

筋トレ効果を高める階段ののぼり方

  1. つま先を使い、かかとは浮かせ気味でのぼります。
  2. 腰骨を立てるように意識しながら、階段に足を乗せるときに股関節を深く曲げるのがポイントです。

筋肉を育てることは、未来の自分への最高のプレゼントになります。今日から少しずつ、体を動かしていきましょう!

  • コンテンツ提供:『健康2025年春号』
  • アドバイス:諏訪中央病院リウマチ膠原病内科医長 須田万勢
  • 発行:主婦の友社