オリックス生命 お役立ち情報
今こそ知りたい健康情報をお届け!
残暑の寝つき改善に!睡眠コンサルタントが教える快眠メソッド

残暑のころは、寝つきが悪くなったり、眠りが浅くなったりして、翌日に疲れを引きずりがちですよね。寝苦しい夜を少しでも快適に過ごすためのちょっとしたコツを、睡眠コンサルタントの友野なおさんが伝授します。
深呼吸で「幸せホルモン」をアップ!スッと眠れる秘訣は?
寝苦しさや寝つきの悪さに悩まされているときこそ、意識して取り入れたいのが「深呼吸」です。
呼吸は自律神経と深く関わり、心の状態とも密接につながっています。イライラしたり、不安を感じたりしているときに、呼吸は自然と浅く速くなりがちです。一方で、穏やかでリラックスしているときには、自然と深くゆったりとした呼吸になります。
この深い呼吸には、「幸せホルモン」と呼ばれる「セロトニン」の分泌を促す働きがあり、心を落ち着かせる効果も期待できます。特に、鼻孔を出入りする空気の流れを静かに感じながら呼吸すると、心と体のつながりに意識が向き、自然とリラックスした状態に近づいていきます。
ただし、スマホやパソコンを長時間使っている生活では、姿勢が悪くなり、胸が縮こまって呼吸が浅くなりがちです。浅い呼吸は肩をすくめるような動作につながり、肩こりや首のこりの原因にもなります。
まずは、自分の呼吸が浅くなっていないかを意識してみましょう。背筋を伸ばして胸を広げ、鼻からゆっくり息を吸い込み、鼻から静かに吐き出す。そんな深呼吸を数回繰り返すだけでも、心がほぐれてくるのを感じられるはずです。
また、深い呼吸には姿勢を支える筋肉も欠かせません。体幹や背中まわりの筋肉を日常的に使うことで、呼吸の質も高まり、心地よい眠りにもつながります。
寝る前の1分!「鎖骨マッサージ」で心地よい眠りへ

猫背など背中が丸まり、胸まわりが縮こまると、肺が広がらず呼吸が浅くなってしまいます。そんなときにおすすめなのが、肩まわりをゆるめて呼吸を深める「鎖骨マッサージ」。自律神経のバランスを整え、心地よい眠りへと導く簡単なケアです。
やり方はとてもシンプル。寝る前に、鎖骨と胸の間のやわらかい部分を、指先で内側から外側へゆっくりさすります。力を入れる必要はなく、「気持ちいい」と感じるくらいのやさしい強さで十分です。もしコリを感じる部分があれば、指の腹でくるくると円を描くように軽くほぐしてあげましょう。
このマッサージで肩まわりの緊張がゆるみ、自然と深い呼吸がしやすくなります。呼吸が深くなることで副交感神経が優位になり、心と体が眠りの準備へと整っていきます。また、背骨はエネルギーの通り道とされ、姿勢が整うことで呼吸の質も向上します。日頃から猫背にならないよう意識することも、質のよい眠りにつながります。
鎖骨マッサージは、日中のリラックスタイムにもおすすめ。1分あればできるので、ぜひ習慣にしてください。
10秒でリラックス!どこでもできる「筋弛緩法」でぐっすり快眠
心と体の緊張を手放すのに、時間も道具も必要ありません。たった10秒でできる「筋弛緩法」を試してみましょう。
この方法は心療内科などでも取り入れられているリラックス法で、緊張してこわばった筋肉にグッと力を入れてから一気にゆるめることで、「ゆるむ感覚」を体に覚えさせるものです。道具は不要で、ベッドの上はもちろん、椅子に座ったままでも行えます。寝る前だけでなく、出張先や旅先など、睡眠環境が変わって緊張しやすい夜にもおすすめです。
筋弛緩法のやり方
ベッドに横になって行う場合
- 仰向けになり、手のひらを上に向けて軽く目を閉じます。
- 手はグーに、つま先は天井に向けて、顔から足先まで全身にグッと力を入れ、5秒間キープ。
- 息をふーっと吐きながら、全身の力を一気に抜き、5秒間リラックス。これを2~3セット繰り返します。
椅子に座って行う場合
背筋を軽く伸ばし、両足は肩幅に開いて床にしっかりつけます。両手はひざの上に置き、ベッドでのやり方と同じように全身に力を入れてから一気に脱力。デスクワークの合間や、移動中のリフレッシュにもぴったりです。
深呼吸、鎖骨マッサージ、筋弛緩法――どれも短時間ででき、心と体をリラックスへと導く習慣です。寝苦しい夜に、今日から少しずつ取り入れてみてください。
コンテンツ提供
『眠れないあなたを救う「睡眠ファースト」』
- 著者:友野なお
- 発行:主婦の友社