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ココロカプセル 開発秘話~お客さまの大切な想いをお届けします

お客さまの大切な想いをお届けします ココロカプセル 保険金をお支払い後、契約者さまからのメッセージ動画を受取人さまにお届けします。

大切な人に伝えたい想いを、あなたならどのように残しますか?
2024年10月31日、当社は、保険金の支払いとともに、お客さまの感謝や励ましの言葉を家族や大切な人に届ける新サービス「ココロカプセル」を開始しました。
本記事では、当社が「ココロカプセル」に込めた想いについて、本サービスの企画担当者である、お客さま本位・CX推進部 鎌田 久美子さんと、システム開発を担当したITクラウド推進部 角田 勇貴さんと 宮本 遼さんに、お話を伺いました。
言葉だけでは伝えきれない感情や想いを、声と映像で残し、心に寄り添う特別な贈り物として届けるこのサービスのアイデアの背景にあった鎌田さんの実話と想い、このサービスを実現するためのシステム面でのこだわりについて迫ります。

メッセージ動画サービス「ココロカプセル」
「ココロカプセル」は、ご契約者さまのご家族や大切な人へのメッセージを、動画形式でお届けするサービスです。
保険金だけでは伝えきれない、感謝の気持ちや大切な想いを、声と映像で直接伝えることができます。
利用者は、生前に動画を撮影し、それを保険会社が安全に保管します。万が一の際、保険金の支払いとともに、メッセージ動画が保険金受取人に送られ、想いを託すことができます。
動画はシンプルなメッセージから、家族や友人への感謝、子どもへの未来のアドバイスなど、自由に内容を決められます。スマートフォンやパソコンから簡単に利用でき、万が一の保険金支払いの際とともにメッセージが届けられるため、手間なく確実に想いを伝えることができます。

  • 「ココロカプセル」のサービス概要については、こちらをご覧ください。

企画担当者の想い
~手紙を残してもらえて、想いを聞けてよかった この機会を広く届けたい~

オリックス生命保険株式会社
お客さま本位・CX推進部

鎌田 久美子(かまた くみこ)

新卒にて当社に入社後、支社にて代理店営業に従事。当時より、本サービスのもととなる想いを届ける方法を模索し続けてきた。2020年より現部署に異動。粘り強く本サービス導入に向けた企画提案を実施。

「ココロカプセル」を導入した背景や想いについて教えてください。

鎌田

「ココロカプセル」を着想した原点は、私自身の実体験にあります。父を亡くしているのですが、その際父から兄妹2人宛に手紙を残してもらっていました。メッセージの内容は、「今までありがとう。これからのことは、兄妹仲良く、お兄ちゃんはしっかり者の妹の言うことをよく聞いて、一緒にお母さんを支えるように。」といった、便せん1枚のシンプルな内容でした。父が手紙を残してくれたことで、家族の一体感が強まったように感じました。その後、母を亡くすことになるのですが、父の手紙のおかげもあり、最期の重度の介護が必要なときも、兄妹で助けあうことができましたし、今も兄妹仲良く過ごすことができています。

鎌田

私は運よく、父から手紙を残してもらえたことで、最期に父の想いを知ることができました。見送る側として、父に対して「もっとお父さんに優しくすれば良かったかな」や、「もっと一緒にいてあげられたら良かった、お父さんを寂しくさせていなかったかな」など、さまざまな後悔もありましたが、父本人から直筆で「ありがとう」と言ってもらえたことで、想いを知ることができたのは救いでした。

災害や事故による突発的な死亡や認知症の発症など、最期に「ありがとう」を伝えることが難しいケースもあると思います。生命保険は、自分が亡くなったときに大切な人が困らないように保険金を残すものですが、保険金に加えて大切な人への想いもカタチにしてお届けしたい、生命保険で想いをつなぐことができたら素敵なことだなと考えました。
20年、30年とお客さまに寄り添い、万一の際に保険金を確実にご家族へお届けすることを使命とする私たち保険会社であるからこそ、お客さまに安心してメッセージもお預けいただける存在になれると信じています。

私の場合は直筆の手紙でしたが、想いを伝える際の姿や声も一緒に残せる動画にすることで、より気持ちをダイレクトに伝えられると考え、「ココロカプセル」の企画をスタートしました。

企画スタートから開発、リリースまでどんな道のりをたどってこられましたか。

鎌田

とにかくゼロから新しいものを創造していくという道のりで、楽しくも本当に大変な日々でした。業界でもメッセージ動画サービスは初めてで、もちろん当社内でも前例のない仕組みであったことから、すべてゼロから検討し、各部署と相談し、整理して決定していくことの繰り返しでした。プロジェクトを進めていくうえで私が特に心掛けていたことは、企画側である私たちの意図や想い、お客さまにお届けしたい体験などを一つひとつ言語化することでした。お客さま体験という言葉一つとっても、抱くイメージは人それぞれ異なります。システム開発を担うIT部門のメンバーと、類似事例を用いながら視覚的につたえることで、イメージをすり合わせていきました。一歩一歩、メンバー全員が同じ景色を見てプロジェクトを進めていくことで、お客さまの想いに寄り添い、利便性も考慮したサービス内容につながったと思います。

システム開発担当者の想い
~30年、40年メッセージをお預かりし、間違いなく届けられる仕組みの構築~

オリックス生命保険株式会社
ITクラウド推進部

角田 勇貴(かくた ゆうき)

新卒にて当社に入社後、ITアプリケーション開発部(現:ITプロダクトマネジメント部)に配属。当社内のデータ集計・分析に関わるシステムの開発・改修業務に従事。その後2021年より現部署に異動し、「ココロカプセル」開発に参画。
本サービスで、自身初のお客さま向けシステムの開発、プロジェクト推進業務に挑戦した。

オリックス生命保険株式会社
ITクラウド推進部

宮本 遼(みやもと りょう)

新卒にて当社に入社後、IT品質保証部に配属。その後2023年より現部署に異動。
研修後、最初の業務が「ココロカプセル」開発。
「ココロカプセル」とともに当社でのキャリアを歩み、さまざまなことを本システム開発から学んだ思い入れのあるプロジェクトとなった。

「ココロカプセル」の開発に携わった担当者としての想いについて教えてください。

角田

「ココロカプセル」は当社のお客さま本位に関する取組みの一環として開発がスタートした案件で、お客さまの気持ちに寄り添い、大切な人に想いを届けるお手伝いができる心温まるサービスになりました。生命保険会社の一員として、システム開発に携わることができて、本当にうれしく思います。

宮本

入社後の研修を経て、最初の業務が「ココロカプセル」のプロジェクト立ち上げと上司から伝えられたときは、大変驚きました。本サービスは生命保険会社としてお客さまのために何ができるかという問いへの一つの答えであり、意義のある取組みであると考えているため、開発当初から主担当として携われたことは非常に誇らしく思います。

「ココロカプセル」の開発までに、どんな苦労や課題がありましたか。

角田

「ココロカプセル」の開発は、カタチのない仕組みを創造していく道のりであり、議論を重ね模索しながら進めていく必要がありました。企画側の意図に応じて迅速かつ柔軟に対応していくために、システム開発を内製化し、自社開発で進めてきたことが一番苦労した点です。私たち自身でシステム設計からプログラミングまでを担うことによる苦労が大きかった一方、内製化したからこそ企画側の意図を的確に汲み取りつつ、一緒にシステムを創り上げられたことは、何事にも代えがたい経験となりました。

宮本

私たちのような若手担当者にプロジェクトの中心を任せてもらえたという期待に応えるべく、日夜走り回っていたのもいい思い出です。自身にとって初めてのプロジェクトであり、苦労は絶えませんでしたが、メンバー全員で一つひとつ課題を乗り越えてきたことで、ここまでたどり着けたと思います。

角田

技術的側面で言えば、生命保険会社にはあまり馴染みのない分野の知識が多分に必要であり、学ぶための取っ掛かりを見つけるところに苦労しました。本サービスは、大枠で説明すると、お客さまから大切なメッセージ動画をお預かりし、当社が長期にわたって保存し、万一の際にお届けするという仕組みとなります。まずは動画に関する知識の習得が不可欠です。さらに、セキュリティに関する知識や、ネットワーク・ウェブサイト開発などの幅広い知識を吸収し、開発に生かしていくことが必要でした。

角田

開発当初、やるべきことがあふれ、理解できていないことが何かすら、わからない状態でした。そんななか、とにかく闇雲に社内の有識者に質問や相談し、得たアドバイスの内容を基礎から理解せずに対応を進めてしまったことがありました。その結果、大きな手戻りにつながってしまったときは、ひどく反省したことを覚えています。どんな些細なことでもまずは自分で調べ、理解できていない範囲や必要とする知識を整理して物事を進めていくことで、次第にプロジェクト推進の担当者として、どのように適切な判断をしていけば良いか、考えられるようになっていきました。

宮本

当社だけでなく業界としても初の試みということで、開発に際して参考となるようなシステムがあまりなく、さらに私自身の知識・スキルも不足しているなかで進める必要があり苦労しました。特に動画に関する知識はYouTubeなどの動画配信サービスの構造やユーザーインターフェースについて社外へ知識を求めるなど、常に自身のインプットとアウトプットを積み重ねることを意識し、案件に還元するよう心掛けていました。四六時中「ココロカプセル」のことを考え生活していると、何気なく散歩しているときにアイデアを思いつくようになりました。だんだんと自分の知識とシステム開発がつながっていく感覚を持てるようになり、成長を実感できました。

(操作マニュアル動画より抜粋:お客さまにわかりやすいシステムを構築)

これから30年、40年とメッセージ動画をお預かりするシステムを構築するうえで、意識したことはどういった点でしょうか。

角田

VHS(*1)からDVD、ブルーレイへと技術革新が進んだように、システムの開発時点でこれから30年、40年、ひいては100年先の技術を見通すことは正直難しいです。システム開発のなかで大切にした視点は、「できる限り汎用的な動画の保存形式を選択する」とともに、「技術革新に合わせ定期的に見直す視点を持つ」ことでした。システム構築をできる限りシンプルにし、汎用性を担保することで、時代の変化にシステムが対応できるように開発することを心掛けました。

  • (*1)Video Home System(ビデオ・ホーム・システム)の略で、家庭用ビデオのこと
宮本

あわせて、ただ動くシステムが完成したら終わりではなく、お客さまからお預かりした大切なメッセージをどのように管理し、システムに反映するかという点は特に意識して開発しました。メッセージ動画は個人情報ですので、お客さまが保険をご解約された場合や、保険金の受取人を変更された場合など、保険の契約状況にあわせて「ココロカプセル」の動画管理も連動していく必要があります。保険の契約状況変更に対応するパターンを一つひとつ丁寧に時系列で整理し、設計を進めていきました。このパターン整理については、特に保険業務の詳しい知識が必要であったため、IT側だけでなく企画側の鎌田さんや周囲の方とも協力しながら進めていったことが思い出深いです。

企画側である鎌田さんと、IT側のお二人がともに考え抜いたからこそ、生み出された点などあれば教えてください。

角田

「ココロカプセル」のログインに必要なパスワードを、ワンタイムパスワード方式にできたことだと思います。お客さまにとって、「ココロカプセル」のログインページや、そもそも生命保険会社のウェブサイトに頻繁に訪問されることはないと思います。そんななか、せっかくメッセージ動画を登録しようと訪れていただいたにも関わらず、パスワードがわからず断念してしまうようなシステムでは、お客さまに対して申し訳ないと思い、指定したメールアドレスに1回限りのパスワード(ワンタイムパスワード)を送信する方式を採用しました。

宮本

企画側である鎌田さんの、「何よりも、お客さまの目線に立って、直感的に操作できる仕様にしたい」との想いに応えるべく、あらゆるログイン方式を模索しました。結果、毎回パスワードが新規発行されることで、セキュリティ面も向上し、お客さまに使っていただきやすいシステムにできたと思います。

お客さまへのメッセージ
~最期の言葉を残そうと意気込まず、メッセージを残せた安心感を体感してほしい~

(左)お客さま本位・CX推進部 鎌田さん (中)ITクラウド推進部 角田さん (右)ITクラウド推進部 宮本さん

お客さまへ一言、メッセージをお願いします。

鎌田

普段なかなか気恥ずかしく言葉にできない想いも、生命保険の加入をきっかけに残して差し上げてほしいと思います。たった一言「ありがとう」という想いだけでもご家族へ伝えるのに「ココロカプセル」を活用いただければ、うれしいです。

角田・宮本

メッセージ動画は、何度でも登録できるようにしております。お客さまには、最期の言葉を残そうと意気込まず、まずはいまの想いをご登録されることによって、「これで確実に家族に想いを残すことができる」という安心感を体感していただきたいと思います。

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