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オリックス生命変革への挑戦(上)
経営戦略の転換~第一・第三分野の両輪経営へ~

当社の代理店営業本部の取組みが、保険毎日新聞(2024年3月14日発行)に掲載されました。
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営業企画部 代理店マーケティング担当部長 玉村 啓

生命保険の「あるべき姿」体現

第三分野の販売を中心に業績を伸ばしてきたオリックス生命は、2014年の片岡一則社長就任以降、生命保険会社としての本来の使命をより一層果たすとともに、収入保険料を増加させ将来に向けて経営の安定と成長をより強固なものにするため、第一分野の販売強化を図り第三分野との両輪経営への変革を進めてきた。第一分野の販売拡大によって収入保険料が順調に伸展し変革の成果が現れ始めた今、同社は生命保険会社としての「あるべき姿」を体現する新たなステージを迎えようとしている。本紙では、変革に当たり奮闘を続けた代理店営業部門の軌跡を2回にわたり掲載する。第1回は、同社営業企画部代理店マーケティング担当部長の玉村啓氏に、経営戦略転換に伴う新たな営業の取り組みについて聞いた。

経営戦略転換の背景について。

玉村

当社は法人契約主体のビジネスモデルからスタートした会社だが、2006年に医療保険を中心とした第三分野主体のビジネスモデルに戦略を転換した。商品の独自性もあり右肩上がりに業績を伸ばしてきたが、14年に社長に就任した片岡が、新規参入会社との競合激化や今後の医療環境の変化に伴う給付金・保険金支払想定を受けた業績への影響を見越し、これまで得意としてきた第三分野に加え、終身保険をはじめとする第一分野や法人・富裕層向け商品の販売を強化する戦略を打ち出した。生命保険会社にしか提供できない第一分野の保障をお客さまにお届けすることがわれわれの本来の使命であり、その販売を通じて収入保険料を増やしつつ、それを原資とした資産運用収益の向上等により、さらに良い商品を開発することで、お客さまへの貢献度を高め、安定的な経営につなげるという好循環を生み出していきたいと考えている。

第一分野の販売推進に向け体制を整えてきた結果、保有契約の商品ポートフォリオは大きく変化し、23年度3月期には第一分野が収入保険料全体の約52%を占めるまでとなった。収入保険料も着実に増えており、戦略転換の成果が現れ始めている。24年度からは、生命保険の「あるべき姿」を体現し、より一層代理店や募集人に寄り添った運営を進めていく新たなステージに突入しようというところだ。

戦略転換に当たり代理店営業で課題となったことは。

玉村

第一分野は商品性が重視される第三分野とは異なり、商品性プラスアルファの情報を伝えるコンサルティング力が販売につながることから、当社の営業担当者にはMDRT会員の方々のような豊富な経験と実績を持つ募集人とも相対できるだけのマインドやスキルが求められる。

一方、これまで当社が行ってきた営業研修は社歴や等級ごとに実施するものであったため、営業担当者が持つ力を効果的に伸ばし切れていなかった。営業担当者一人一人が自身の能力を十分に発揮するには、自分の得意分野を磨き苦手分野を克服できるようなスキルに応じた教育を行うことが重要であり、そのためにはまず個々の強み・弱みを客観的に把握する必要があった。

課題解決のために行った施策は。

玉村

営業担当者一人一人のマインド・スキル・知識がどのポジションにあるのかを可視化するための「セールスパーソンシップアセスメント」というスキルマップを作成した。スキルマップによって、営業担当者が持つ誠実さ、タフさといった素養や、下準備から行動までの営業サイクルの中でどこに特化して動いているのかなどが見えるようになり、優績営業担当者は他の担当者と何が違うのか、優績者のどこをまねれば良いのかなども分かるようになった。

人事部の協力を得て昨年度から作成に取り掛かり、試行錯誤を重ね、ようやく12月に運用を開始することができた。各拠点長と共に全社約200人の営業担当者一人一人を思い浮かべながらマインド・スキル・知識のレベルを確認していった結果、人事評価とは違った視点での営業担当者への指導やフィードバックが可能になり、営業担当者の意識も大きく変わっていった。スキルマップの導入により各営業担当者の強み・弱みを可視化できる体制が整ったので、来期からはスキルに応じた研修を開始し「営業のプロフェッショナル」の育成をより一層推進していく。

営業スキル向上に向けては。

玉村

コンサルティングスキルの向上を図るため、各拠点の責任者とわれわれ代理店営業本部の教育チームが一体となって営業担当者にOJTを実施している。また、社内研修だけでなく募集人へのヒアリングも行っており、代理店を訪問した際にどんなところに着目し、どういう提案をすべきかなど、募集人の視点からアドバイスをしてもらうことで営業担当者の行動改善を促している。こうした社内外からの教育が、営業担当者の成長と営業スキル向上につながっている。

この他、戦略転換に伴い実施した施策は。

玉村

営業担当者による訪問ができないときに代わりに電話やメールで募集人対応を行う専用のコール部隊を設け、営業担当者による対応とのハイブリッド型の営業を推進している。第一分野の販売に当たっては、募集人一人一人に対し、これまで以上に工夫をしたサポートを行う必要があるが、だからといって第三分野を中心としている募集人の方々との関係が薄くなってしまっては意味がない。そこで、サービスの提供を維持しながら経営戦略の転換にも対応できる施策としてハイブリッド型の営業体制を整えた。

また、報酬についても営業担当者のモチベーションが上がるような体系へと変えることができたので、営業担当者にとっては良い環境が生まれたと思う。

営業担当者からの反響は。

玉村

営業担当者に将来どの部門で働きたいかと質問すると、これまでは内勤部門という答えが多かったが、営業を希望する声が増えた。長く在籍している営業担当者からは『まるで別の会社になったがごとくやり方が変わり、営業にやりがいが生まれた』という声が届いており、若手営業担当者からも『営業を続けたいので営業部門に残してほしい』という声が寄せられている。本当にうれしい限りだ。

営業担当者に求めることは。

玉村

営業担当者としてなくしてはならないものは生命保険会社としての使命感だ。実際に活躍している営業担当者を見ても、『より多くのお客さまに保障を届けたい』という誠実な思いを言葉に出して伝えた上で、何度も代理店に足を運んで募集人が求める情報をしっかりと提供し信頼を勝ち得ている。経験や実績が豊富な募集人と接する際、この使命感の共有ができていなければまず門が開かないので、そこだけは忘れずに信頼を積み重ねていってほしい。

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