未来の生命保険システムを守る——「越境」しながらチームで成果を生むIT部門
2017年に新卒入社したYuto.S。文系出身ながらIT部門に配属され、ゼロから経験を重ねて現在は保険料収納システムの開発・保守を担っています。生命保険事業の根幹を長期にわたって支える“守る”仕事を、越境するチームワークでカタチにしていく。その過程で感じた、事業会社のIT部門ならではのやりがいとオリックス生命の挑戦を歓迎する風土とは。
文系出身でIT部門へ。仲間と成長するITキャリア
現在の所属と担当業務について教えてください。
私はIT部門のアプリケーション開発チームに所属しています。主に担当しているのは、お客さまから保険料をお預かりする「保険料収納システム」の開発・保守です。生命保険の契約情報を管理する中でも、保険料収納は事業の根幹に関わる重要な領域です。
2017年に新卒入社されたとのことですが、当時のことを振り返ってみていかがですか?
経済学部出身なので、IT部門に配属されるとは思ってもいませんでした。でも、どの部署に行ったとしても、最初は何もわからないところからのスタートです。一緒に配属された同期と切磋琢磨しながら、ゼロから学ぶ日々でした。
当初は「何がわからないのかさえわからない」状態で、1人で抱え込むことも多かったのですが、周囲の先輩やチームメンバーに支えられ、「もっと人に頼っていいんだ」と気づけたことで、仕事への向き合い方が大きく変わりました。わからないことを素直に伝えるようになってからは、チームで働くことの心強さを実感しています。
その後、どのように経験を積んでいったのでしょうか?
会社の資格制度を活用して生命保険の知識やIT資格を取得して基本的な知識を身につけつつ、現場での実務をとおしてシステムの知見を深めました。2019年には新契約管理システムの担当になり、商品開発対応や法令改正対応など複数案件に携わりました。関わる人数も多く、協力しながら業務を進める経験を重ねました。
IT部門は事業を動かす主役の一員
生命保険業界のIT部門で働く意義ややりがいは、どんなところにあると感じますか?
生命保険は契約が数十年単位で続くため、システムも長期的に稼働することが前提です。時代の変化に臨機応変に対応できるよう、未来を想像しながら設計し、ユーザーや業務部門とともに作り込むことに大きなやりがいがあります。自分がいなくなった後でも困らないよう、誰が見ても状況を再現できるようにする。地味ですが、長期運用を支える欠かせない仕事です。
事業会社のIT部門ならではの魅力は、どんな点にありますか?
「何を作るか」や、「どう使われるか」に関われることです。ユーザーや業務部門、外注先とのディスカッションを重ね、声を反映しながらシステムを作り込む。事業の根幹に関わる部分から携われるのは、事業会社のIT部門ならではのおもしろさだと思います。
具体的には、どのような場面でそのやりがいを感じますか?
業務部門から「システムに不具合が見つかったので至急対応してほしい」と相談を受けたことがありました。まずは緊急措置として一時的な対応を行い、その後、根本的な改修を行う二段階の方法を提案。結果として無事に問題を解決でき、「迅速に対応してくれて助かりました」と感謝の言葉をいただけたのは嬉しかったです。
こうした対応ができるのも、同じ会社にいるからこそ。業務部門、そしてその先にいるお客さまのために何ができるかを考え、信頼関係を築きながら仕事を進められることが、社内IT部門の強みだと実感しています。
オリックス生命だからこそ挑戦できる環境がある
若手でも大きな役割を担える環境があると聞きました。
はい。保険料収納システム担当になって半年ほど経った頃、あるプロジェクトでPMOを任されました。外部にデータ送信する際に使用する通信方式を新しいものに切り替えるプロジェクトで、担当するシステムだけでなく、同じ通信方式を利用する複数のシステムが対象となる大規模案件でした。
約9社と同時にやり取りをしていましたが、進捗の把握や用語の意味の差異(たとえば「リリース」の定義)に苦労し、他社と協業する難しさを痛感しました。さらに、アプリケーション開発ではあまり触れることのないインフラ領域の知識が求められ、社内の専門家に教えを請いながら自分の理解を深め、方針を示すプロセスは大きな学びになりました。
このプロジェクトをとおして、どんなことを学びましたか?
チームで成果を出すための姿勢です。たとえば、アプリケーション担当者がネットワークについても意見を出したり、あるシステムの担当者が別のシステムを気にかけたり。お互いが自分の領域を自然に「越境」して役割をシェアし、プロジェクト全体を自分事として捉える姿勢に、「これがプロフェッショナルの働き方なんだ」と感銘を受けました。
それ以来、担当領域で責任を果たすことに加え、「プロジェクトをよりスムーズに進めるために、私は何ができるか」を考えるようになりました。プロジェクトリーダーや他のメンバーに「こうすればもっと良くなるのでは?」と積極的に意見を伝えられるようになったのは、大きな変化だと思います。
オリックス生命で働く魅力は?
前向きな動きを歓迎してくれる風土があることです。先日、長崎に拠点がある業務部門で、お客さまの手続きが社内システムにどう反映されるかを説明する機会がありました。通常、IT部門以外がシステムの仕組みを知る機会は少ないのですが、業務部門であっても、お客さまの手続きが各システムにどのような順序やタイミングで反映されるのかを理解することで、よりお客さまに寄り添った対応につながるとの理由で依頼されたものです。社内で「やってみたい人はいないか」という話が出た際に、滅多にない機会だと思い「やらせてください」と手を挙げ、長崎まで出張して説明しました。こうした前向きな動きが部門を越えて起こり、若くても挑戦する機会を快く受け入れてくれる文化があるのは、当社の魅力のひとつだと感じています。会社の行動規準にも「『変える』と『変わる』を大切にします」とあるように、過去の成功体験に固執せず、より良い未来を創ろうとする姿勢が根付いていると感じます。
変化や挑戦を楽しめる環境で——「この人がいるとチームがうまく回る」と信頼される存在
今後のビジョンを聞かせてください。
直近の目標は、最近チームに加わった後輩を導きながら、ともに成長していくことです。将来的には、「この人がいるとチームがうまく回るし、プロジェクトがスムーズに進む」と思ってもらえる、潤滑油のような存在になりたいです。周りには、まさにそうしたロールモデルとなるメンバーがたくさんいます。私も周りから信頼され、チームの成功に貢献できる人材をめざしていきたいです。
長期運用を支えつつ、越境する姿勢を次世代に広げる——その循環をつくることが、私の目標です。

