死亡保険(生命保険)の「定期保険」と「終身保険」、ライフステージ別契約例のご紹介
死亡保険(生命保険)の主な種類には、定期保険、終身保険があります。どの死亡保険が自分に合っているかは、ライフステージや家計の状況によっても異なります。各保険の特徴を紹介しますので、ライフステージ別の生命保険選びの参考にしてください。
死亡保険の種類
死亡保険(生命保険)の種類には、保険料がお手頃な「定期保険」、保障が一生涯続き貯蓄性のある「終身保険」があります。それぞれの特徴が異なるので、どれが自分に合っているか、しっかり考える必要があります。
(1)定期保険
定期保険は、一定期間を保障する死亡保険です。保険期間中に被保険者が死亡・高度障害状態になった場合に保険金を受取れます。保険金額は、保険期間中であれば変わりません。解約払戻金のない掛け捨て型の保険のため、お手頃な保険料で保障を備えられます。
定期保険の一種に、収入保障保険があります。保険金を給与や年金のように毎月定額ずつ受取れる定期保険で、生活費として使いやすいというメリットがあります。なお、収入保障保険も、一度にまとめて保険金を受取ることが可能ですが、一般的に年金型で受取るよりも受取れる総額が少なくなる可能性があります。
(2)終身保険
終身保険は、保障が一生涯続く死亡保険です。何歳で亡くなっても死亡保険金を受取れるため、遺族に確実にお金をのこせる安心感を得られます。保険料は途中で上がることがなく一定です。掛け捨てにならない貯蓄型の保険で、保障が不要になった場合、解約すると解約払戻金を受取れるので、老後資金の備えにも活用できます。
独身の方の死亡保険(生命保険)の契約例
独身の方の場合、両親や親族など身の回りの方の負担を減らせるように、自分に万一のことがあった場合の最低限の葬儀費用、遺品整理費用を備えておくと安心です。
保険金額は、お葬式代、お墓代や死後の整理費用として300万円くらいが目安です。貯蓄性のある終身保険と、保険料の安さが魅力の定期保険の場合の契約例を紹介します。
30歳男性の場合
終身保険ライズ | 定期保険ファインセーブ | |
---|---|---|
保険期間 | 終身 | 10年 |
保険料払込期間 | 60歳まで | 10年間 |
保険金額 | 300万円 | 300万円 |
月払保険料 | 6,057円 | 624円 |
- ※保険料は2024年11月1日現在のものです。
ライズは保障が不要になった場合に解約すると解約払戻金を受取れます。例えば、上記の条件において70歳で解約した場合の払戻率は119.5%です。
30歳女性の場合
終身保険ライズ | 定期保険ファインセーブ | |
---|---|---|
保険期間 | 終身 | 10年 |
保険料払込期間 | 60歳まで | 10年間 |
保険金額 | 300万円 | 300万円 |
月払保険料 | 5,748円 | 552円 |
- ※保険料は2024年11月1日現在のものです。
上記の条件において70歳でライズを解約した場合の払戻率は121.1%です。
老後に向けてお金を貯めたい人は貯蓄性のある終身保険が向いていますが、保険料を安く抑えたい方は、保険料が掛け捨ての定期保険で備える選択もあります。
夫婦2人暮らしの死亡保険(生命保険)の契約例
夫婦2人暮らしの死亡保険は、年代や夫婦の働き方によって考え方が異なります。子どもがいない場合、養育費や教育費を用意する必要はありませんが、遺族基礎年金を受取れないため、国から支給される遺族年金はその分少なくなります。万一のときに必要な保障を自分たちで備えておく必要があるでしょう。
例えば、30代会社員同士の共働きで、将来的に子どもを持つかどうかはまだわからないという新婚夫婦の場合、お互いに収入があるため、万一の場合にも生活していけると考えられます。そのため、のこされた家族の生活資金を備える収入保障保険よりも、お葬式代やお墓代、死後の整理費用に備える定期保険のほうが、優先度が高いと言えます。
これから住宅購入などのライフイベントも予想されるので、お手頃な保険料で加入できる定期保険ブリッジで、500万円程度の死亡保険を夫婦それぞれに備えると仮定した場合、以下のような契約例になります。
定期保険ブリッジ | |
---|---|
保険期間 | 10年 |
保険料払込期間 | 10年間 |
保険金額 | 500万円 |
月払保険料 | 30歳男性の場合:611円 30歳女性の場合:509円 |
- ※保険料は2024年11月1日現在のものです。
一方、50代の会社員夫とパート勤めの妻の2人暮らしで、子どもがいない場合やすでに独立している場合は、夫に万一のことがあったときの妻の生活費を準備しておく必要があります。
その場合は夫名義で収入保障保険に加入し、夫に万一のことがあっても妻が老齢年金を受取り始める65歳までの間、毎月一定金額ずつ生活費として受取れるようにしましょう。さらに、お葬式代や死後の整理費用として終身保険で300万円を用意すると仮定した場合、以下のような契約例になります。
50歳男性の場合
収入保障保険キープ | 終身保険ライズ | |
---|---|---|
保険期間 | 65歳(支払保証期間5年) | 終身 |
保険料払込期間 | 65歳まで | 終身 |
保険金額 | 年金月額 10万円 (亡くなったときから65歳になるまで毎月支払われる) |
300万円 |
月払保険料 | 4,510円 | 6,753円 |
- ※保険料は2024年11月1日現在のものです。
また、妻に万一のことがあったときの備えも必要です。お手頃な保険料で加入できる定期保険と、老後資金準備を兼ねた貯蓄性のある終身保険の場合で見ていきます。
50歳女性の場合
定期保険ファインセーブ | 終身保険ライズ | |
---|---|---|
保険期間 | 10年 | 終身 |
保険料払込期間 | 10年間 | 70歳まで |
保険金額 | 300万円 | 300万円 |
月払保険料 | 1,149円 | 10,029円 |
- ※保険料は2024年11月1日現在のものです。
上記の条件においてライズを70歳の保険料払込期間経過直後に解約した場合の払戻率は104.2%です。
子育てファミリーの死亡保険(生命保険)の契約例
子どもがいる夫婦の死亡保険は、養育費や教育費を確保する必要があるため、夫婦それぞれに死亡保障を用意します。
例えば、30代会社員同士の共働きで、未就学の子どもが一人いる場合には、共に家計や家事子育てを担っているので、死亡保障も夫婦で備えておきます。
定期保険ブリッジ | |
---|---|
保険期間 | 20年 |
保険料払込期間 | 20年間 |
保険金額 | 2,000万円 |
月払保険料 | 30歳男性の場合:2,773円 30歳女性の場合:2,135円 |
- ※保険料は2024年11月1日現在のものです。
これから教育費や住宅購入費などにお金がかかるからこそ、保険料がお手頃な定期保険で保障を確保しておきましょう。
また、教育費の準備には終身保険を活用することもできます。保険料の払込みが終わる時期を子どもの高校・大学の入学時期と合わせることで、保障が不要になって解約した場合、解約払戻金を高校・大学の入学金などに使えます。
もし、保険料払込期間中に万一のことがあっても家族にお金がのこせるので、子どもの教育費として使えます。
終身保険ライズ | |
---|---|
保険期間 | 終身 |
保険料払込期間 | 15年間 |
保険金額 | 500万円 |
月払保険料 | 30歳男性の場合:18,815円 30歳女性の場合:17,910円 |
- ※保険料は2024年11月1日現在のものです。
上記の30歳男性が保険料払込期間経過直後に解約した場合のライズの払戻率は105.9%、30歳女性が保険料払込期間経過直後で解約した場合の払戻率は106.1%です。
一方、40代会社員同士の共働きで、中学生と高校生の子どもが2人いる家庭の場合、これから教育費のピークにかかっていきます。毎月の塾代などの支払いに備えるためにも、夫婦それぞれが収入保障保険に加入して、毎月決まった額の教育費・生活費を家族にのこすといいでしょう。
収入保障保険キープ | |
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保険期間 | 60歳(支払保証期間1年) |
保険料払込期間 | 60歳まで |
保険金額 | 年金月額 10万円 |
月払保険料 | 40歳男性の場合:2,690円 40歳女性の場合:1,950円 |
- ※保険料は2024年11月1日現在のものです。
教育費のピークに必要な保障を備えつつ、保険料負担も抑えることができます。
死亡保険(生命保険)の「定期保険」と「終身保険」は、加入目的とライフステージで選ぶ
死亡保険(生命保険)には、お手頃な保険料が魅力の「定期保険」と、保障が一生涯続いて貯蓄性のある「終身保険」があります。
定期保険は、教育費や住宅ローンの返済など目の前の生活にお金がかかり「保険料をできるだけ抑えて一定期間の手厚い保障を受けたい方」に向いています。保険料は掛け捨てになりますが、保険料負担を抑えつつ、まとまった保障を備えられる安心感があるでしょう。
定期保険の一種である収入保障保険は、年金や給与のように毎月一定額を受取れるので、「のこされた家族の生活費を準備したい方」に向いています。定期保険と同様に保険料は掛け捨てになりますがお手頃な保険料で保障を備えられます。
終身保険は、「貯蓄性があり、一生涯続く保障を受けたい方」に向いています。保障が不要になったときに解約すると解約払戻金を受取れるので、教育資金や老後資金の備えにも活用できます。
選ぶべき死亡保険の種類や必要保障額は、その方のライフステージや家計の状況によって異なります。いつどこで「万一」がやってくるかわからないからこそ、その「万一」にも備えておくことが大切です。ご紹介した死亡保険の種類や契約例を参考に、ライフプランにあった保障を考えてみてはいかがでしょうか。