死亡保険の必要性が高い人ってどんな人?
死亡保険の必要性が高い人、必要性が低い人はそれぞれどんな人なのでしょうか。死亡保険が必要な理由、死亡保険に入るメリット、死亡保険の必要性が高い人の特徴について解説します。
死亡保険(生命保険)が必要な理由
死亡保険は、万一のときに、のこされた家族が安心して暮らしていけるよう、まとまった資金を確保するために活用されています。
万一に備えるには、死亡保険以外にも預貯金などの方法があります。預貯金は、お金の出し入れがしやすい反面、一定の金額が貯まるまで時間がかかってしまい、万一のときに十分な金額が準備できていない可能性があります。一方、死亡保険は、あらかじめ保険金額は決まっているため、保険期間内であれば万一のことがあっても一定の金額を家族にのこすことができます。万一のときはいつ訪れるかわかりません。死亡保険の特徴を理解し、自分に合った方法で備えることが大切です。
死亡保険に入るメリット
死亡保険に加入する主なメリットには、以下のようなものがあります。
(1)遺族の生活費が用意できる
死亡保険に加入すると、のこされた家族の生活費を死亡保険金で確保することができます。大切な家族だからこそ、ご自身に万一のことがあったとしても、のこされた家族が現在と同様の暮らしを送れるようにしてあげたいと考えている人は、死亡保険に加入することをおすすめします。
(2)相続対策ができる
死亡保険に加入する際には、契約者は保険金の受取人を指定します。万一のことがあった場合、生命保険会社は受取人からの請求があるとすみやかに、死亡保険金の支払いの手続きを行います。一般的には相続財産は、相続人同士の協議などを終えた後でないと使うことができません。しかし、死亡保険金は受取人固有の財産なので、すぐに使用が可能です。
また、死亡保険金には「500万円×法定相続人の数」の非課税枠があります。相続財産の評価が下がることで、相続税負担を軽減する効果があります。
(3)貯蓄性のある死亡保険なら子どもの教育費や老後資金にも備えられる
終身保険は多くの場合、貯蓄性があり、もしも死亡保障が不要になった場合は、保険期間の途中で解約をすると解約払戻金が支払われることが多いです。終身保険を解約すれば解約払戻金を子どもの教育費や老後資金として使うことができます。
(4)生命保険料控除を活用できる
死亡保険に加入すると、1年間に支払った保険料に応じて「生命保険料控除」を活用でき、所得税や住民税の負担を軽減する効果もあります。この生命保険料控除も保険加入のメリットです。
死亡保険の必要性が高い人
(1)結婚した人
扶養家族がいる人は死亡保険の必要性が高いと考えられます。自分に万一のことがあったときに、のこされた家族が今と変わりなく生活できるよう備えたいという人は、死亡保険に加入しておきましょう。
結婚を機に、夫婦のどちらかが収入減少する場合、生計の主体者となる方は死亡保障を十分に備えることが重要です。共働きの場合は、それほど大きな死亡保障は必要ありませんが、お葬式代程度の死亡保障はあった方がいいでしょう。結婚前に加入している保険がある場合、お互いの保障内容を二人で確認して、保障内容の見直しをすることがおすすめです。
(2)出産で家族が増えた人
子どもが生まれるタイミングは、死亡保障についてより深く考えるべき大切な機会です。共働きの家族の場合、夫婦のどちらかにでも万一のことがあると、のこされた方の経済的な負担が増えることになります。家事代行サービスを受けたり、就労時間を減らしたりできるような備えを、それぞれが死亡保険などを活用して準備しておきましょう。
家族によっては出産を機に専業主婦(主夫)や時短勤務を選択することもあるでしょう。その際には生計の主体者に万一のことがあっても、のこされた家族の生活費や子どもの教育費のために死亡保険を備えておくと安心でしょう。一方で、家事や育児を担っている方に万一のことがあった場合には生計の主体者の方が今までどおりの収入を維持することが難しくなることが多いでしょう。夫婦それぞれに死亡保険を備えておくと安心です。
(3)老後資金の不安に備えたい人
老後資金は死亡保険でも準備することができます。死亡保障が不要になったときには、終身保険を保険期間の途中で解約することで、解約払戻金を受取れます。受取った解約払戻金は老後資金に充てることもできます。
(4)葬儀代や死後の整理資金を備えたい人
家族のためにお金を残す必要がないという場合でも、お葬式や死後の遺品整理、行政機関への手続きなどは、誰かに行ってもらう必要があります。専門の業者に依頼するにはお金がかかります。こうした整理資金に備えるために死亡保険に入っておくと、周囲の方の負担が軽くなります。
(5)相続対策を考えている人
死亡保険金には「500万円×法定相続人の数」の非課税枠があるため、相続税の負担軽減につながります。例えば、配偶者と2人の子をのこして死亡した場合、死亡保険金のうち、500万円×3=1,500万円が非課税となり、超過分が相続税の課税対象になります。また、死亡保険を使うことで、特定の人に現金を残すことができます。
死亡保険の必要性が低い人
すべての人が死亡保険を必要と考えるわけではありません。例えば、以下のような人は、死亡保険の必要性が低いと考えられます。
(1)独身の人
結婚して家族を養っている人に比べると、多くの場合、独身の人は死亡保険の必要性は低いと考えられます。
しかし、現在独身でも子どもを養っている場合や、親や兄弟姉妹を養っているといった場合には、既婚者と同様に、自分に万一のことがあった場合の家族の暮らしのことを考える必要があります。
また、死亡保険は家族のためだけではありません。お葬式や死後の遺品整理などを他の人に任せる場合にも、それなりの費用がかかります。周囲の方への負担をかけないためにも準備をしておくことが大切です。
(2)十分な貯蓄がある人
死亡保険に加入すると、死亡したとき、または高度障害状態になったときに、受取人に指定された人が保険金を受取れます。見方を変えると、すでに十分な貯蓄があってもしものときに必要なお金を確保できている人は、死亡保険に加入する必要が低いとも考えられます。
ただし、注意点もあります。現在の貯蓄をずっと維持できるかということです。予期せず貯蓄を取り崩さなければならなくなり、死亡時に備えられなくなる可能性があります。また、万一のときの支出は予想以上に高額となることもあります。貯蓄額や今後の生活設計を考えて、死亡保険の必要性について検討しましょう。
保険の必要性は個人の状況やライフステージで変わる
死亡保険の必要性は個人の状況や家族構成、ライフステージによって異なります。死亡保険に加入をすると、のこされた家族の生活の保障はもちろん、相続や老後資金にも備えられるメリットがあります。現在は死亡保険の必要性が低いと考えられる人も、将来保険が必要になることもあります。早めに加入することで保険料を抑えられることもあるため、一度検討してみてはいかがでしょうか。